2015年12月08日

わかやま塾ネクスト月刊クロスインタビュー Vol.4




岡:こんにちは。ネクストのインタビューということで、まずはわかやま塾に参加したきっかけを教えてください。

釜中:県知事が塾頭で講師陣も素晴らしい方々ということろに引かれました。勉強になることが多かったですね。

岡:印象に残っている講義はありますか?

釜中:人口と発展が比例する話は、普段あまり考えたこともなかったので興味深かったですね。和歌山市は人口が減っていて、岩出市は少し増加している。まちの力強さを人口という今までとは別の角度から考えられるようになりました。
これは私の持論なのですが、まず人の話を素直に聞くようにしています。「そんなん知ってるわ」という気持ちで聞くと何の発見もできません。従業員にもまずは素直に聞くように伝えています。以前聞いたことのある話でも、その時の自分と現在の自分は時とともに変わっていますよね。素直に聞くと必ず新たな発見がありますね。




岡:紀州技研ではどんなお仕事をされていますか?

釜中:製造と開発部の責任者です。もともとエンジニアだったので開発にも携わっています。紀州技研は従業員190人のうち3分の1の60人が技術屋です。1年に1回は新商品を開発するようにしています。紀州技研のメイン商品は消耗品のインクの販売です。インクの売上が半分、プリンターの売上が半分です。インクは安定して販売できているので、機械や新商品の開発にもチャレンジできるビジネスモデルになっています。



岡:海外にも展開していますよね?

釜中:中国内に12の営業所と10ヵ所に出張所があります。中国の経済は今、減速気味なので「チャイナ+1」とのことでインドに2年前に会社を設立しました。販売拠点だったのですが今、そこに6千坪ぐらいの工場を作っています。来年度中に完成予定で、アフリカやヨーロッパの代理店を管轄する拠点にしたいです。



岡:海外にも紀州技研さんと同じようにプリンターを販売する会社はあるんですか?

釜中:海外展開している会社は世界に10社ぐらいありますね。価格は海外の商品には太刀打ちできないので、機械トラブルがあった時にすぐに駆けつけるアフターフォローの体制で信頼性を得て、差別化を図っています。商品そのものが良いのはもちろんですが、信頼を得るのも大事。「1回プリンターを販売したらその会社との付き合いは終わり」にするのではなく、次のプリンター買換の時も購入してもらえるように信頼関係をつけておくことが大事です。そのためにアフタ-フォロー体制をしっかりして、こつこつと信頼を積み重ねています。




岡:最後に、釜中さんのこれからの抱負を聞かせてください。

釜中:従業員それぞれが喜びをもって働ける会社をつくっていきたいです。もちろん業績を伸ばしていきながらですが、個人が会社を通じて夢を実現でき、仕事に喜びを感じてもらいたいです。先日、岐阜県に仕事で行った時に地元の子どもが、将来の夢は「地元の、ある製造会社で働きたい」って言ったんですね。それを聞いた周りの大人は「夢がなさ過ぎる」って言ってたのですが、それがひっかかりました。きっと、その子の親がその会社で働いていて「自分の会社は良いところだよ」と子どもに言ってるんでしょうね。紀州技研も、そんな風に社員が家族や子どもに「この会社良いよ」って誇ってもらえる会社にしていきたいです。

紀州技研工業 https://www.kishugiken.co.jp/